センサー端末(左)と受信機(右)
センサー端末(左)と受信機(右)
(出所:日経BP)
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 太陽誘電は、太陽光発電向けの無線通信によるストリング監視システムが、これまでに国内の48カ所・合計出力約35MWの発電所で採用されたと公表した。

 太陽光発電関連の展示会「PVJapan 2016」(6月29日~7月1日、パシフィコ横浜で開催)に、同システムを出展した。

 複数の太陽光パネルを直列に接続した「ストリング」ごとに、電圧と電流を遠隔監視するシステムで、収集したデータを無線で伝送する。

 一般的なストリング監視システムは、接続箱の入力端子などにセンサーを装着し、専用の通信線を通じてデータを伝送する。これに対して、太陽誘電のストリング監視システムは、データの送信に無線通信を使うことで、通信線が不要となる。

 センサーは、太陽光パネル間のケーブルにつなぐため、発電した電力をデータの取得に使える。パネル間の接続ケーブルを結ぶコネクターを介して、センサーを内蔵する端末を取り付ける。

 このセンサー端末から受信機までは、マルチホップ通信と呼ばれる方式でデータを伝送する。センサー端末が無線通信の中継器となり、他のセンサー端末から受信機まで、通信を中継することで、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の広い敷地内を低消費電力で無線通信できる。

 こうした方式のため、専用の通信線や電力線を加えずに導入できる。稼働後の太陽光発電所でも、大掛かりな配線の工事なしで後付けできる。