米国のエネルギー開発事業者であるバーズアイ・リニューアブル・エナジー(Birdseye Renewable Energy)社は7月5日、テネシー州ホーキンス郡で出力1MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「フィップスベンド(Phipps Bend)太陽光発電所」が完成したと発表した(図)。

米Birdseye Renewable Energy社が建設した1MWのメガソーラー「フィップスベンド太陽光発電所」。手前は未完成のまま放置されているフィップスベンド原発
米Birdseye Renewable Energy社が建設した1MWのメガソーラー「フィップスベンド太陽光発電所」。手前は未完成のまま放置されているフィップスベンド原発
(出所:United Renewable Energy)
[画像のクリックで拡大表示]

 同メガソーラーは、テネシー川流域開発公社(TVA)が1978年に「フィップスベンド原子力発電所」の建設を開始した場所に設置された。同原発はTVAのサービス地域全体に電力を供給するはずだった。

 ところが、電力の需要や価格がその約2年後に下落したこと、1979年にペンシルバニア州で発生したスリーマイル島原子力発電所の事故、それに伴う原発の建設コスト高騰などの理由から、TVAは同原発の建設を1981年に中止した。

 その後この跡地は、1980年代後半に近隣で工業団地が建設され、安全教育訓練などに使用されたことはあるものの、ほとんど使われてこなかった。

 フィップスベンド太陽光発電所は、建設途中で未完成のままとなっている原発の構造物の隣にある4エーカー(約1万6200m2)の未利用地に約3000枚の太陽光パネルを並べた。追尾式架台を採用し、発電量を最大化している。

 TVAの「分散型太陽光ソリューション・プログラム」の一環として、発電した電力の全量を地元の電力事業者であるHolston Electric社に売電する。平均的な住宅100軒の電力需要を賄えるという。

 同プロジェクトのデベロッパーはバーズアイ社で、同社が権益も所有する。EPC(設計・調達・施工)サービスは、ジョージア州アルファレッタ(Alpharetta)のUnited Renewable Energy社が担当した。

 バーズアイ社はノースカロライナ州を拠点とし、米国の南東部で430MW以上の太陽光発電所を運用している。