東と西に傾けて、敷地の全面にパネルを敷き詰める
東と西に傾けて、敷地の全面にパネルを敷き詰める
(出所:NTTファシリティーズ)
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 NTTファシリティーズは6月29日、地上設置型の太陽光発電所向けに、従来の南向きではなく、東西方向に太陽光パネルを傾けて配置する手法を発表した。

 屋根の傾斜が東西方向に流れていくようなイメージで、パネルを設置する。南側から見て、東西方向にM字のような形が続いていくように、太陽光パネルを連続的に設置する。

 アレイ(太陽光パネルを架台に固定した単位)の列間を空けないので、敷地内に設置する太陽光パネルの枚数を最大化できる。

 従来の南向きに傾けてパネルを並べる手法では、北側にパネルによる影が伸びるため、前後の列間を空ける必要があった。東と西に傾けることで、影による影響を考慮しなくても良くなることから、列間を離すことなく、パネルの設置枚数を増やすことができる。

 太陽光パネルを東や西向きに傾けることで、南向きに傾けるよりも、1枚当たりの1日の発電量は減るものの、敷地内により多くのパネルを敷き詰めることによる発電量の増加効果により、事業性が高まるとしている。

 同社では、従来の南向きにパネルを傾ける手法による発電システムに比べて、敷地面積あたりのパネル設置容量を20~40%、年間発電量を10~30%増やせるとしている。

 買取価格の低下や、太陽光発電に向く土地の減少などにより、今後、太陽光発電所の設計には、より高い効率性が求められる。東西にパネルを傾ける手法によって、敷地内の設置枚数を最大化し、面積効率を高めることで、今後も発電所の事業性を維持する狙いがある。

 この手法による太陽光発電システムを、「FソーラーパッケージMタイプ」として製品化し、販売を開始する。2016年度は8億円を売り上げる目標とする。

 施工性や保守性を損なうことなく、太陽光パネルをM字型に配置する架台や、パワーコンディショナー(PCS)などの発電設備を組み合わせて供給する。

 東と西に傾けたパネルは、向きが異なるため発電の状況が異なる。東西に傾けたパネルを、それぞれ最大電力点で制御できる仕組みとしている。