発電設備の概念
発電設備の概念
(出所:酒田北港バイオマス発電事業に係る環境影響評価方法書)
[画像のクリックで拡大表示]

 関西電力が、山形県酒田市で輸入バイオマスを使った出力約75MWのバイオマス発電事業を計画していることが分かった。

 山形県環境影響評価条例に基づき、環境影響評価(アセスメント)の方法などをまとめた「(仮称)酒田北港バイオマス発電事業に係る環境影響評価方法書」を、7月3日に山形県と酒田市に提出した。

 今後、環境アセスを通じて、地域住民や関係行政機関からの意見を求めながら計画を進めていくことになる。環境アセスの後、2年半の工期を見込んでいる。

 酒田北港に位置する造成済みの酒田臨海工業団地内の12.5haの分譲地に、パーム椰子殻(PKS)や木質ペレットなど、東南アジアや北米などから輸入したバイオマス燃料を用いる発電所を建設する。

 循環流動床ボイラでバイオマスを燃やし、1時間で最大240tの蒸気を発生させ、定格出力74.95MWの蒸気タービン発電機を回す。バイオマス燃料の年間使用量は、年間稼働率85%の場合、約35万tとなる。

 工業団地内に建設することで大規模な土地造成に伴う環境への影響が回避され、埠頭施設を利用することで海外から効率的に燃料を運搬できるという。山形県や酒田市が取り組む酒田臨海工業地域の発展に寄与する事業として地域と連携して推進するとしている。

 方法書では、環境影響評価について「二酸化窒素」「二酸化硫黄」「浮遊粒子状物質」「粉じん等」「騒音」「振動」「水の濁り」「水の汚れ」「主要な眺望点及び景観資源並びに主要な眺望景観」「主要な人と自然のふれあいの活動の場」「建設工事に伴う副産物」「廃棄物」の12項目を選定した。方法書は7月3日~8月3日まで公開するとともに、7月13日に説明会を開催する。意見書の締め切りは8月17日まで。