アイルランドの調査会社であるリサーチ・アンド・マーケッツ(Research and Markets)社は7月3日、空港に設置する太陽光発電システムのグローバル市場は2017年から2021年まで年率(GAGR)6.46%で成長するとの見通しを発表した。

 同社が刊行した調査レポート「Global Solar Power Market 2017-2021」で公表された。同レポートは業界の専門家からの情報による詳細な市場分析に基づいており、市場の概況や今後数年間の成長見通し、主要なベンダー事例などをカバーしているという。

 同レポートによると、空港内では滑走路やターミナルなど極めて大きな敷地面積を必要とし、太陽光発電を設置する余地がまだ多く残されている。

 例えば、米国コロラド州のデンバー国際空港は1万3570ha、同バージニア州のワシントン・ダレス国際空港は4856ha、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ国際空港は2914haと、いずれも広大な土地を占有している。

 しかも、航空機の安全な離着陸のため、視界の妨げとなるようなものを建築できないことから多くの空き地が残されている。さらに、ターミナルの屋上や駐車場など、太陽光発電を設置できる場所が多いと指摘する。

 航空業界での再生可能エネルギー導入が今後も積極的に進められそうな、制度面の変化もある。

 国連の専門機関の一つである国際民間航空機関(ICAO)は2016年10月、年々増加する乗客数に対して、航空分野における温室効果ガスを2020年以降は増加させないとする「CORSIAメカニズム」を気候変動対策として決定したからだ。

 こういった流れを先取りし既に太陽光発電を導入している主な空港として、フィンランドのヘルシンキ空港(関連記事1)、インドのコーチン国際空港やデリー国際空港(関連記事2)(関連記事3)、南アフリカのジョージ空港(関連記事4)などの事例がある。

12MWのメガソーラーが併設されている、インド・ケララ州のコーチン国際空港
12MWのメガソーラーが併設されている、インド・ケララ州のコーチン国際空港
(出所:Cochin International Airport)
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