生け簀を応用して開発
生け簀を応用して開発
(出所:日経BP)
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最初の採用となった、奈良県の案件
最初の採用となった、奈良県の案件
(出所:Sun Rise E&T社)
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 給排水部材メーカーである台湾Sun Rise E&T社は、樹脂製の管材を応用した水上太陽光向けのフロートを日本で本格展開する。太陽光発電関連の展示会「PVJapan 2016」(6月29日~7月1日、パシフィコ横浜で開催)に出展した。

 長さ4mの高密度ポリエチレンの管を2本、平行になるように組み、2枚の太陽光パネルを縦向きに固定するユニットを構成する。このユニットを必要な数だけ連結し、水上に浮かべる。

 2本の管は、ブラケットと呼ぶ支持具を使って、平行になるように固定する。この支持具の上に、金属製の架台を組み、太陽光パネルを固定する。

 同社は、給水や排水用の部材を開発、製造しており、そのノウハウを生かし、高密度ポリエチレンによる生け簀なども開発・販売している。今回のフロートは、この生け簀の技術を応用して開発した。

 フロートの開発では、日本管材センター(東京都中央区)が助言し、同社が日本における販売代理店を務める。日本管材センターは配管材などの商社で、水上の太陽光発電所が広がりつつある中、従来から取引のあったSun Rise E&T社に、管材の新たな応用分野として、フロートの開発を勧めた。

 最初の採用例は、日本の奈良県にあるため池で2015年7月に稼働した。出力約1.4MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)のうち、水上に浮かべた出力約0.9MW分に、このフロートを採用した。その後、台湾で採用が広がっているとしている。

 台湾では、エビなどの養殖業の不振が続き、養殖に使っていた池の水面を、太陽光発電所として活用する動きが活発化しており、年間合計出力600MWの太陽光発電所を水上に設置することを目指す動きがあるという。