地上で画像を受信する自動解析システム(左)と、不具合の発見例(右)
地上で画像を受信する自動解析システム(左)と、不具合の発見例(右)
(出所:スカイロボット)
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 ドローン(無人小型飛行体)関連を手がけるスカイロボット(東京都中央区)は6月28日、太陽光パネルの故障検出向けのドローンシステムに関して、国内特許を取得したと発表した。

 太陽光パネルの不具合の発見へのドローンの応用では、赤外線カメラを搭載してパネルを空撮する。こうして得たパネルの熱分布の画像から、過剰に発熱した部分などを見つけ、不具合の生じている可能性が高いパネルを特定する。

 今回の特許は、ドローンに搭載したカメラが、太陽光パネルに対する角度や距離を最適に保つために必要な要件としている。

 特許を取得した要件を含む同社のドローンのシステムは、超音波と角速度センサーを応用して、太陽光パネルと飛行中のドローンが搭載しているカメラとの距離や角度を測定しながら空撮する。

 これによって、太陽光パネルに対して、一定の角度を保ちながら空撮できるとしている。通常のデジタルカメラと赤外線カメラの両方で空撮する。

 飛行時に、障害物などに一定以上に近づいた場合、警告音を発した上、自動的に飛行位置を修正する。超音波センサーとレーザーによる障害物検出システムによって障害物との距離を把握している。

 万が一、ドローンが故障するなどの理由で墜落する場合には、パラシュートやエアバッグが自動的に作動し、墜落地点にある太陽光パネルなどを損傷しにくくしている。

 空撮した画像のデータは、そのまま地上の解析システムにリアルタイムで送信し、自動で分析する。分析した結果は、地上の解析システムのディスプレイに表示でき、結果をすぐに確認できるとしている。

 また、空撮中のドローンからも、不具合を自動で検出したパネルやセル(発電素子)に対して、レーザーポインターを照射したり、マーキング用カラーボールを発射する仕組みを備えている。

 マーキング用カラーボールは、塗料を封入しており、着弾した場所に色をつける。