グラスバレーに設置された太陽光発電システム
グラスバレーに設置された太陽光発電システム
(出所:City of Grass Valley)
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 米カリフォルニア州のグラスバレー(Grass Valley)市は7月1日、同市が策定した再生可能エネルギーおよび省エネルギー導入プログラムの第一段階で、電気料金を半減させ約700万ドル(約7億円)を削減することに成功したと発表した。

 同市が市内の14施設で実施した再エネ導入および省エネ改修の結果、電気料金の削減が実現したもの。エネルギーサービス事業者(ESCO)として、OpTerra Energy Services社を起用した。

 同市は2013年の夏に再エネ導入と省エネを開始したという。同市の首脳陣はOpTerra社の技術者チームと協力し、市の施設の省エネ性能を強化し環境や持続可能性の目標に沿いつつ市の財政を改善できるプログラムを開発した。

 エネルギー消費パターンを更新する機会を地域の環境にプラスとなる変化を作りだす手段としてとらえ、また同プロジェクトに関連した雇用の創出を通じて地域経済を刺激することによって市民の利益となることを目指したという。

 改修を行った14施設は、市庁舎や記念公園プールなどで、太陽光パネルの設置、街灯や屋内外の照明のLED照明への交換などを実施した。

 再エネ導入は、太陽光発電が主体であり、電気の節約もそれによる部分が大きい。Slate Creek Lift Stationには、777kWの太陽光発電システムを地上に設置し、下水処理場では、施設の張り出し屋根上に86kWの太陽光パネルを設置した。

 記念公園のプールでは、太陽熱温水器を採用するとともに、約157㎡の太陽光パネル設置やより効率の良いポンプへの交換で省エネを徹底した。

 ESCO事業者のOpTerra社はエネルギーの節減効果を毎年監視し、20年間に最低でも達成可能とした80%以上の節約を保証する。もしエネルギー費用の節約が約束通りの水準に達しなかった場合、その差額を同社が市に支払うという。

 グラスバレーは、州都のサクラメント(Sacramento)から北東に約90kmのネバダ郡に位置し、面積は12㎢、人口は約1万3000人。「ゴールドラッシュ」を契機として集落が発生し、その後人口が増え市制がしかれるようになった。