水島発電所の全景
水島発電所の全景
(出所:中国電力)
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アンモニア貯蔵設備
アンモニア貯蔵設備
(出所:中国電力)
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アンモニアを混焼させるバーナー
アンモニアを混焼させるバーナー
ピンク色のリボンを付けた2本の配管が今回敷設した仮設配管(出所:中国電力)
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 中国電力は、石炭火力発電所の水島発電所2号機(岡山県倉敷市、定格出力15.6万kW)において、アンモニア混焼試験を7月3日から9日まで実施する。事業用の発電所でアンモニアを燃焼させるのは日本初。

 今回の実証を通じて、再エネ由来燃料を活用した石炭火力発電所の大幅な二酸化炭素(CO2)排出削減の道を探る。

 アンモニアを水素キャリアの一形態と位置づける。将来的に、再生可能エネルギー由来の水素を原料にしたアンモニアを混焼して発電することで、石炭火力からの二酸化炭素(CO2 )の排出削減につなげる。

 同発電所では、排煙脱硝装置でアンモニアを使用しており、すでにアンモニア貯蔵設備を備えるという。既設設備を流用して仮設配管をボイラーまで敷設し、2号ボイラーの既設バーナーを用いてアンモニアを混焼させる。混焼率は0.6%で、年間CO2削減量は約4000tを見込んでいる。

 今回の混焼試験での混焼率は、既存アンモニア設備の供給可能容量にもとづいたもの。今後、当面の目標として混焼率20%、年間CO2削減量約13万4000tを目指す。さらに、水島2号機より大きい出力50万kW規模の火力発電所では同42万9000t(混焼率20%の場合)を見込む。

 内閣府総合科学技術・イノベーション会議「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」のうち「エネルギーキャリア」に関する委託研究課題「アンモニア直接燃焼」の一環で、科学技術振興機構(JST)から受託して実施する。