日本法人の設立を発表するCambridge Consultants社CEOのAlan Richardson氏
日本法人の設立を発表するCambridge Consultants社CEOのAlan Richardson氏
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 「英国がEUから離脱しても心配ない」。こう語るのは欧州や米国、日本などのメーカーの技術・製品開発を支援する英国のCambridge Consultants社の最高経営責任者(CEO)、Alan Richardson氏だ。

 英国は2016年6月23日の国民投票で、同国が欧州連合(EU)から離脱することに賛成する割合が52%に達した。EUからの脱退は、短期的には英経済に悪影響を及ぼすことが懸念され、通貨であるポンドは急落し、株式市場も混乱をきたした。

 英国に進出する日本企業も、EU市場にアクセスすることを視野に入れているケースが多い。EU脱退に伴い、関税に加えて、貿易の手続きが煩雑になったり、英国で同国以外の国や地域出身の外国人を雇用したりすることが難しくなるリスクを心配する声も出ている。

 だが、Richardson氏は「メリットとデメリットを語るのはまだ早い。離脱には2年以上という長い時間がかかりそうで、長期的にはどのような影響が出るかは分からない」と指摘する。

 英国は、EUから離脱しても、ドイツやフランスなどの主要国と個別に自由貿易協定を結ぶことは可能だ。さらにポンドが下落すれば、他の国から英国への投資を呼び込みやすくなることも考えられる。さらにEUへの拠出金の負担が減れば、それを英国の国内経済の活性化にも使うことができる。