いすゞ自動車は大型観光バス「ガーラ」を3年ぶりに部分改良して2017年7月3日に発売した(図1)。歩行者の検知に対応した緊急時の自動ブレーキを標準搭載する(図2)。車両の企画や開発は日野自動車と共同で行い、日野からは「セレガ」の名称でガーラと同日に発売した。

図1 いすゞ自動車が部分改良した大型観光バス「ガーラ」
図1 いすゞ自動車が部分改良した大型観光バス「ガーラ」
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図2 歩行者の検知に対応した緊急時の自動ブレーキ作動イメージ
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 いすゞは日野とバス車両の開発で関係性を強めている(関連記事:国産初のHEV連節バス、輸送効率1.6倍)。生産は両社が比率50:50で出資する石川県のバス製造会社、ジェイ・バスにて行う。

 バスやトラックなどの安全装備の搭載は、乗用車と同様に広がりを見せている。先代モデルでもすでに緊急時の自動ブレーキを標準搭載していたが、今回の車両は歩行者の検知にも対応させている。「乗用車と比べて車両質量が大きく、自動ブレーキの制御は難しい」(いすゞ)という。

 ガーラの自動ブレーキは、トヨタ自動車が搭載車種を増やしている自動ブレーキシステム「Toyota Safety Sense P」と同様に、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせで実現している(関連記事:Continental社がデンソーを猛追)。いすゞはトヨタグループの日野自動車と車両を共同で開発することで、安全装備や車両部品を安価で調達できているとみられる。