太陽光パネル大手の米サンパワーは6月26日、カリフォルニア大学マーセド(University of California, Merced:UCマーセド)校が出力5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)と500kWの定置型蓄電池を設置することを発表した。カーポートと建物の屋上に建設する計画である。蓄電池の容量は未公表。

2020年までにネットゼロ・エネルギーの実現をめざす米カリフォルニア大学マーセド校
2020年までにネットゼロ・エネルギーの実現をめざす米カリフォルニア大学マーセド校
(出所:SunPower)
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 同大学では、出力1MWの追尾式を採用した地上設置のメガソーラーが2009年に完成し既に稼働しており、予想を上回る発電量を達成しているという。今回発表した5MWのメガソーラーと合わせると、両システムによって同大学が消費する電力の50%以上を賄えると見込む。

 太陽光発電による電気料金の節約に加え、蓄電池の活用でデマンドチャージ(需要ピークに対して課金される電気料金)を大幅に削減できるとしている。

 同大学は持続可能性に関して、2020年までに「トリプル・ネットゼロ」を実現するという目標を策定している。具体的には、同大学におけるエネルギー消費、廃棄物の量、温室効果ガス排出量の3項目でネットゼロを目指す。

 UCマーセドに太陽光パネルを供給するサンパワーは、バークレー(Berkeley)、デイビス(Davis)、リバーサイド(Riverside)、サンタバーバラ(Santa Barbara)などUCキャンパスの70%以上が同社製のパネルを採用しているという(関連記事1)。

 定置型蓄電池は、米Stem社製を採用する。Stem社の定置型蓄電池は、カリフォルニア州立大学などでの採用実績がある(関連記事2)。

 UCマーセドは2005年に開設された。UCでは10校目となる最も新しいキャンパスであり、米国では21世紀に入ってから初めて設立された大学という。マーセドは、米国の国立公園の草分け的な存在で、世界自然遺産としても有名な「ヨセミテ国立公園」の「玄関口」として知られる。

 校舎や施設を拡張し現在の定員をほぼ倍増して、2020年までに1万人規模とする計画「マーセド2020プロジェクト」を推進中である。メガソーラーや蓄電池といった環境や持続可能性に関する施策もその一環としている。