長州産業が開発した「ソーラー水素i(アイ)パワーステーション(SHiPS)」実証設備
長州産業が開発した「ソーラー水素i(アイ)パワーステーション(SHiPS)」実証設備
(出所:長州産業)
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「ソーラー水素i(アイ)パワーステーション(SHiPS)」実証設備
「ソーラー水素i(アイ)パワーステーション(SHiPS)」実証設備
(出所:長州産業)
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 山口県は6月23日、県内の水素関連産業の活性化を図るために2017年度「水素サプライチェーン技術開発支援補助金」を創設し、長州産業(山陽小野田市)を代表とする県内企業グループ(全13社)の取り組みを採択したと発表した。

 採択事業「革新的再エネ利用水素ステーションパッケージ製品開発」は、燃料電池自動車(FCV)に水素を充填できる、充填圧力70MPaの再生可能エネルギー由来水素ステーションを開発する。コンパクトで低コスト、大容量で情報公開クラウドを搭載し、災害対応機能を併せ持つという。

 これまでに長州産業は、水素ステーション「ソーラー水素i(アイ)パワーステーション(SHiPS)」の実証設備を開発し、2017年3月27日に開所式を行っている。同実証設備は、平時は太陽光発電によりCO2フリー水素を製造してFCVに供給。非常時には防災ステーションとして機能し、貯蔵した水素を使って発電した電力を供給する。採択事業では、同実証設備で得た知見を活用する。

 代表者である長州産業と日立プラントメカニクス(下松市)、松田鉄工所(周南市)、エコマス(宇部市)の4社が開発グループを構成し、県内企業9社が部材や部品などを製造する。補助率は3分の2以内で補助金は年間1億円以内。期間は1年間(最長2年間)。

 参加する各企業とその役割分担は以下の通り。長州産業(山陽小野田市)=再エネ由来水素STパッケージ製品、日立プラントメカニクス(下松市)=水素冷却用膨張タービンシステム、松田鉄工所(周南市)=70MPa水素ST用高圧配管溶接、エコマス(宇部市)=水素ST用クラウド型情報システム、テクノウェル(柳井市)=水素ST配管施工、宇部興機(宇部市)=水素バッファ設備、西部設計(周南市)=水素ST小型パッケージ化設計、ひびき精機(下関市)=水素冷却用膨張タービン部品、トクヤマ(周南市)=アルカリ水電解式水素発生器、山一電設(周南市)=水素発生器組立・メンテナンス、中村鉄工所(周南市)=水素発生器電解槽製作、親和設計工業(周南市)=水素発生器電解槽設計、下関鍍金(下関市)=水素発生器電解槽表面処理(トクヤマ以下は2018年度から参画予定)。