中国の青海省電力公司(Qinghai Electric Power Corp.)が、青海省の電力を1週間にわたって再生可能エネルギーで100%賄うことに成功したことが明らかとなった。

 同社は国営で中国最大の電力会社である国家電網(State Grid Corporation of China)の現地子会社である。今回の成果は、国家電網が主導していた実証プロジェクトの一環。

 同実証プロジェクトは、6月17~23日の1週間で実施された。18日に省都の西寧市で記者発表会を開催し、実証の目的や概要を発表していた(図)。

中国の国家電網・青海省電力公司による実証プロジェクトの記者発表会の模様
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中国の国家電網・青海省電力公司による実証プロジェクトの記者発表会の模様
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中国の国家電網・青海省電力公司による実証プロジェクトの記者発表会の模様
(出所:国網青海省電力公司)

 青海省全域で、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーの発電量が、消費量を上回り、「再エネだけで消費を賄った」とする。地元メディアなどによると、将来は化石燃料が不要になることを証明するため、同実証が行われたという。

 実証の期間中、1日当たりの平均電力消費量は1億7500万kWh(1.75GWh)、同平均電力負荷は720万kW、最大電力負荷は750万kWだった。再エネ電源の内訳は、水力が78.3%、残りの21.7%が太陽光や風力である。

 青海省は中国の北西部に位置し、面積は約72万km2、人口は約600万人。中国で4番目に広いわりに、人口は比較的少ない。

 省内の大半が高原地帯に属し、黄河や長江などの水源も豊富で、水力や太陽光などの再エネ資源に恵まれる。国家電網が同省を今回の再エネ実証の実施場所に選んだのは、このような地理的・社会的な背景も考慮したものとみられる。

 実証の実施にあたっては、風力や太陽光による発電量の予測などの入念な準備が行われ、期間中は国家電網が強力に支援し、関連する企業や団体との調整も行ったという。