IRENAが予測する、グローバル市場における太陽光発電の容量拡大の見通し
IRENAが予測する、グローバル市場における太陽光発電の容量拡大の見通し
(出所:IRENA)
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 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は22日、太陽光がグローバル市場の電力に占める割合が現在の2%から2030年までに最大13%まで増加するとの予測を発表した。

 ドイツで同日開催された太陽光発電関連の国際会議と展示会である「InterSolar Europe」で同機関が発表した新しい報告書「Letting in the Light」によるもの。

 同報告書では、太陽光発電の大幅な拡大は主に太陽光パネルのコスト低減によってもたらされるとしている。世界全体における太陽光発電の総容量は、現在の227GWが2030年までに1760GWから最大2500GWに達するとの予測を示した。

 IRENAのアドナン・アミン事務局長は、「太陽光や風力の発電コストは、今後も引き続き低減していくことが分かった。太陽光では、今後10年間に最大59%までコストが下落する可能性がある」と述べている。

 同報告書のデータによると、欧州、中国、南アフリカ、米国における太陽光発電の一般的なコストは、kWh当たり5セントから10セントという。2015年に記録された最低価格は、アラブ首長国連邦(UAE)で5.84セント/kWh、ペルーとメキシコで4.8セント/kWh、2016年5月にUAEのドバイで実施された太陽光の入札では3セント/kWhだった。

 同機関は太陽光発電が2030年までに世界全体の電力で13%の比率に達するためには、今後14年間にわたって年間の平均導入容量が倍増していく必要があると指摘する。

 そのような導入量の拡大を達成するために、技術革新に基づいたエネルギー政策の見直し、研究開発における政府の支援、スマートグリッドや蓄電池といった太陽光の普及推進に有用な技術の採用など5つの推奨項目を挙げている。