最短5分で1.6MWの電力を自動的に集約し供給

 さらに同日午後5時15分には、既に対応を行っていたPG&EとSCEのサービス地域内の4カ所に加え、5分未満の要望に応じる形でサンディエゴ・ガス&エレクトリック(SDG&E)社のサービス地域内の3カ所で電力を供給したという。

 結果的に、この1時間で同社はカリフォルニア州の電力網がカバーする地域の7カ所の電力需給のひっ迫状況に同時に対応できたとしている。

 同社の仮想発電所としての運用では、同社が管理する複数の定置型蓄電池の余剰電力をアグリゲート(集約)して、最短の場合5分で自動的に1.6MWの電力を供給した。その後、19日の週にはさらに10回にわたり大手3社のサービス地域において、緊急的に電力を供給したという。

 Stem社のJohn Carrington CEOによると、「CAISOや電力事業者からの緊急の要請に対して、数分以内に電力を供給できる」といい、同社の蓄電池VPPに自信を示す。

 同社は過去3年間、同州内で活発に卸電力市場(スポット市場とやリアルタイム市場)に参加している。特に、5分以内の対応が求められるリアルタイム市場では、2017年の1~5月に150件の取り引きを行ったという。

 カリフォルニア州では、「CAISO プロクシ・デマンド・レスポンス(PDR)」と呼ばれる、定置型蓄電池などの分散エネルギー資源をアグリゲートする仕組みが整備されており、同社もそれを活用している。