変換効率97%で、出力1kW
変換効率97%で、出力1kW
(出所:村田製作所)
[画像のクリックで拡大表示]

 村田製作所は6月22日、太陽光発電向けに、出力1kWの「ミニインバータ」(小型のパワーコンディショナー:PCS)を開発したと発表した。

 最近、導入例が出てきた小型・分散型PCSの発展形として、現在、米国において、太陽光パネルごとのPCSとなる「マイクロインバータ」が提案されている。しかし、同社によると、マイクロインバータには、コストが高い、変換効率が低い、系統連系の規程への対応が不十分といった課題ある。

 そこで、同社では、主流の大型・集中型と、パネル単位のPCSの両方の利点を融合したPCSとして、今回の出力1kW機を開発した。パネル数枚単位で制御する。

 高効率な回路を、小型・薄型・軽量の筐体に収まるように設計することで、従来の集中型のPCSのような、97%という変換効率の高さや連系への対応などを、小型のPCSで実現したと強調している。

 製品寿命は20年間とし、メンテナンス費用を大幅に削減できるとしている。発電量などのデータは、無線通信(周波数:920MHz)で送信する。これによって、通信ケーブルの敷設が不要、HEMS(住宅エネルギー管理システム)やBEMS(大規模建物エネルギー管理システム)との連携が可能になる。

 入力電圧(直流)は80~250V、出力電圧は200Vに対応し、外形寸法は450mm×160mm×50mmとなっている。2017年度中に量産を開始する予定としている。