エクセリオグループが岩手県洋野町で稼働させたメガソーラー
エクセリオグループが岩手県洋野町で稼働させたメガソーラー
(出所:日経BP)
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 スペイン系の再生可能エネルギー開発会社、エクセリオ・ジャパン(X-Elio Japan、東京都中央区)と新生銀行は6月23日、鹿児島県隼人町に建設する出力約16.7MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に対し、プロジェクトファイナンスを組成した発表した。

 スペインの太陽光発電事業者であるX-Elio Energy S.L.が出資するX-Elio10合同会社が特定目的会社(SPC)となり、新生銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスに関わる融資関連契約を6月22日に締結した。発電所の建設などに関わる費用のうち、約64億円をSPCに融資する。

 エクセリオグループが日本に本店を置く銀行から融資を受けるのは初めてとなる。

 発電所名は「メガソーラーパーク霧島隼人発電所」。事業開発の主体は、X-Elio Energy S.L.の日本法人であるエクセリオ・ジャパンが担当する。EPC(設計・調達・施工)サービスはスペイン系エンジニアリング会社のマエテル・ジャパン(東京都港区)が担い、太陽光パネルは中国インリー・グリーンエナジー社製を採用する。

 建設用地は、霧島市の出資する第3セクターが所有する山林で、もともと宅地開発を予定していた。宅地の需要が減少したため、計画を変更し、他の用途での開発事業者を公募し、エクセリオグループによるメガソーラー開発に決まった経緯がある。

 固定価格買取制度(FIT)による買取価格は40円/kWh。林地開発に伴う治水対策の設計などに時間を要し、着工時期が延びたという。九州電力が30日等出力制御枠に達する前の連系承認を得ているため、無制限・無補償の出力制御は適用されない。

 X-Elio Energy S.Lは、元々スペイン系の自動車部品大手のゲスタンプグループだったが、2015年12月に米大手投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)社による買収が完了した。元の親会社のゲスタンプは少数株主となり、KKRの傘下に入った。それに伴い、社名をGestamp Asetym Solar から、X-Elioに変更し、日本法人もX-Elio Japanとなった。

 エクセリオ・ジャパンは、日本におけるメガソーラーの開発目標を600MWと掲げており、今後4~5年間で20件程度の太陽光発電所の建設を予定している。鹿児島県隼人町は公表ベースでは3カ所目の発電所となる。