独Tesvolt社の定置型蓄電池システムは、すべてドイツの同社工場で製造される
独Tesvolt社の定置型蓄電池システムは、すべてドイツの同社工場で製造される
(出所:Tesvolt Storage Technology)
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 独Tesvolt Storage Technology社は14日、アフリカのルワンダ東部において分散型のオフグリッドでは世界最大となる定置型蓄電池システム(Energy Storage System:ESS)を受注したと発表した。

 同蓄電池の容量は2.68MWhで、隣接する3.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に併設する形となる。同システムの開発や建設は、ドイツのシステムインテグレーター事業者であるIdeemaSun Energy社が行う。

 ルワンダでは電力インフラの整備が遅れており、停電が一日に3~4回発生するという。一回の停電では、最短で5分、最長では45分も電力が途絶する。

 今回のプロジェクト公募では、「蓄電池が3.3MWのメガソーラーの電力を吸収でき、迅速に放電できること、それと同時に可能な限り低コストであることが重要な要件だった」と、Tesvolt社のDirector of Engineeringを務めるSimon Schandert氏は述べている。

 Tesvolt社は合計134個のESSを供給する。充電コントローラは独SMA Solar Technology社製で、今回のプロジェクトでは合計402個が使用される。これらにより停電が発生した場合でも太陽光パネルからの電力が継続して供給され、マイクログリッドとして機能するという。

 ルワンダの現地では、同社のESSが44個の農業用ポンプに対して活用される。灌漑プロジェクトにおいて太陽光のクリーンで安全な電力を供給し、農業の収率改善にも役立つと期待されている。これによって、現在は極度の貧困状態にある現地の農家、約2000世帯の生活水準が改善されるとしている。