DERMSのイメージ
DERMSのイメージ
(出所:エナリス)
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 エナリス(東京都千代田区)は6月17日、太陽光発電や蓄電池、自家発電設備などの分散電源(DER)を統合制御する「DER Management System(DERMS)」を核としたオープンプラットフォームを構築すると発表した。

 12月までに第一弾のモデルを開発し、VPP実証事業で機能を検証・拡充して、2020年に新サービスを提供する計画。

 自家消費だけでは100%使い切れない「分散電源の余力」を社会全体でシェアし有効に活用することを目指す。分散電源を常時監視し、電力需要に合わせてきめ細かく最適制御することで、物理的・経済的に無理なく、電力を融通し合うという。

 統合制御する対象範囲は、企業グループ単位、サプライチェーン単位、地域単位などを想定する。また、分散電源の制御を希望する事業者向けにSaaS (Software as a Service)として提供し、エナリスは事業者の運営管理をサポートする。

 米国のシステム開発企業AutoGrid Systemsと連携して開発する。AutoGridは、人工知能(AI)とビッグデータ技術を駆使して多種多様な分散電源の電力需要を予測・分析して最適制御を行うことに強みを持ち、グローバルなエネルギー企業とエネルギープラットフォーム開発の実績を持つという。世界50社以上が同システムを導入し、5GW以上の分散電源を管理している。

 AutoGridが日本で商用化に向けたシステムを開発するのは初めてとなる。同社は今後、ESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業や組織に対し、オープンプラットフォームへの参画を呼び掛けていくという。