太陽光発電事業者のLooop(東京都文京区)は6月14日、同社が運営している水戸市の「春の木ソーラー発電所」において、ドローン(無人小型飛行体)を使った太陽光パネルの点検を実施したと発表した。
同発電所は、水戸市鯉淵町に立地し、出力は8.8MW。約15万m2の土地に、3万枚以上の太陽光パネルが並んでいる。
ドローンによる太陽光パネルの空撮画像の撮影には、テラドローン(東京都渋谷区)の機体を使った。上空から赤外線カメラで撮影することで、パネルの熱分布の画像を取得し、不具合を生じている可能性のあるパネルを特定するために使った。
Looopではこれまで、点検作業者が携帯型の赤外線カメラを持ち歩き、パネル1枚1枚を撮影するという、人手に頼った手法を採用していた。この手法では、作業に膨大な時間を要する上、パネルの不具合を正確に把握することが困難だったという。
そこで、ドローンを使うことで、作業の手間や時間を削減するとともに、不具合パネルの検出精度を高めることを狙い、その効果を検証した。
作業の手間や時間の削減では、従来は工数で12人・日かかっていたのに対して、ドローンを使うと4人・日と、3分の1に削減・短縮できたという。
検出精度については、ドローンによる撮影画像からも、従来の手法で発見できていた不具合(クラスタ落ち・ホットスポット)を、ほぼ全て検出できた。
さらに、ドローンによる撮影結果から、従来は発見できていなかった新たなホットスポットを複数個所、発見した。これらのホットスポットを後日、再点検したところ、不具合を検出できた。
不具合パネルの位置の把握でも、効果があったとする。従来の人手による点検では、不具合を発見しても、その場でパネルの位置情報を記したマップに記入する際、誤った場所に記入するといったミスが生じることがあった。
これに対して、ドローンによる撮影画像を使った場合、上空からの画像を元にマッピングすることから、こうしたミスが減り、正確性が向上したとする。