米コン・エジソン社の顧客が設置した50kWの太陽光発電システム
米コン・エジソン社の顧客が設置した50kWの太陽光発電システム
出所: Con Edison
[画像のクリックで拡大表示]

 米ニューヨーク州ニューヨーク市およびその近郊で電力を供給するエネルギー事業大手のコン・エジソン(Con Edison)社は13日、300軒以上の住宅に設置する太陽光発電と定置型蓄電池により「仮想発電所プログラム」を推進すると発表した。

 太陽光パネル大手のサンパワー(SunPower)社との協業によるもの。自宅を所有しプログラムへの参加要件を満たす顧客に対して、太陽光発電システムと定置型蓄電池を初期費用ゼロで提供するという。

 この仕組みは、実質的に米ソーラーシティ(SolarCity)社などが採用し米国で普及した「第三者保有モデル」となる。今回の発表に先立って両社は、太陽光発電システムなどを家庭用エネルギー管理システム(HEMS)「コネクテッド・ホーム」とセットで提供することを明らかにしていた。

 今回の両社による発表では、この仮想発電所は出力1.8MW以上、容量が4MWh以上と記述されているため、一軒当たりの太陽光パネルは約6kW、蓄電池は13.3kWh程度と推測される。住宅用の分散型エネルギー貯蔵システムとしては、全米最大になるという。

 太陽光パネルにはサンパワー社製を、定置型蓄電池にはサンバージ(Sunverge)社製を採用。コン・エジソン社が蓄電池を保有し、それをプログラム参加顧客にリースする。

 このシステムによって、同プログラムに参加する世帯に対しては太陽光によるクリーンなエネルギーや電気料金の節約、停電時のバックアップを提供する。

 コン・エジソン社にとっては、電力網の強靭性や信頼性の改善が可能になるとしている。

 数百カ所の太陽光パネルと蓄電池システムを連携して運用し、「仮想発電所」とすることで、系統における需要ピーク時に、電源として活用できる。

 スキャダ(SCADA)機能を統合することで、遠隔地から監視・制御できる。ピーク需要への対応に関し、ガス火力といった既存電源に依存する必要性を低減しつつ、システム・パフォーマンスを予測したり、最適化できるという。