米ニューヨーク州ニューヨークに到着した「ソーラーインパルス2」と関係者一同
図1 米ニューヨーク州ニューヨークに到着した「ソーラーインパルス2」と関係者一同
出所: Solar Impulse
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米ニューヨーク州ニューヨークの「自由の女神像」上空を飛ぶ「ソーラーインパルス2」
図2 米ニューヨーク州ニューヨークの「自由の女神像」上空を飛ぶ「ソーラーインパルス2」
出所: Solar Impulse
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 太陽光エネルギーだけを動力源とする飛行機「ソーラーインパルス2(Solar Impulse 2、以下 Si2)」は11日の午前3時59分(米国東部夏時間)、米ニューヨーク州ニューヨーク(New York)のジョン F. ケネディ(JFK)国際空港に到着した(図1)。

 前日の10日午後11時18分にペンシルバニア州リーハイバレー(Lehigh Valley)を出発して4時間41分の飛行を行ったもの。

 今回の飛行で、Si2は北米横断を完了した。今後は大西洋を横断して欧州またはアフリカへ向かい、世界一周の起点であるアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビへと帰還して太陽光エネルギーだけを使った世界一周飛行を完結する計画である。

 Si2はスイスのプロジェクトで、太陽光パネルによる電力だけで世界を一周する飛行に挑戦中である(関連記事123)。2016年4月23日に米国カリフォルニア州マウンテンビュー(Mountain View)に到着以降、何度かの飛行に分けて北米大陸の横断を続けていた。

 今回の飛行では、人類初の飛行機を発明し有人飛行に成功したライト兄弟の生誕地であるオハイオ州デイトン(Dayton)などを経由し、国際連合の本部があるニューヨークで北米横断を終えた。ニューヨーク市では米国の象徴で世界文化遺産でもある「自由の女神像」の上空を旋回し、クリーンエネルギーの可能性を訴えた(図2)。

 同機は、約6週間かけて北米大陸を横断した。Si2によると、その間に着陸した経由地の飛行場には2万人以上が見物に訪れたという。また、Si2の公式サイトにおけるネット動画の実況中継は、のべ400万回閲覧され、公式フェイスブックには1800万人がアクセスしたとしている。