GNSS、移動通信、WiFi/Bluetoothという3種の無線通信モジュールを手掛けるスイスu-blox社。創業20周年のアジアのプレス向け会見に続き(関連記事:「自動運転向け測位には4技術の合わせ技が必須」、u-blox)、CEOのThomas Seiler氏が国/地域別にメディアとのインタビューを行った。以下に、日本向けインタビューの主な内容を紹介する。

Thomas Seiler氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
Thomas Seiler氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。

問:u-bloxの通信モジュールには自社開発のチップまたはサードパーティーから調達したチップが使われている。使い分けの指針を知りたい。

Seiler氏 ケースによって異なる。創業以来手掛けている。GPSやGNSS向けの通信モジュールでは自社でチップを開発し、それをベースにさまざまなモジュール製品を開発している。例えば、さまざまな大きさのケースに入れたり、アンテナを内蔵したり、3次元加速度センサーや3次元角速度センサーなどの回路部品を追加したり、車載向けなどのハイグレード仕様に仕立てたり、といった具合だ。現在、我々のGNSSレシバーチップは「8M」と呼んでいるもので、精度を高めた次期製品の開発を進めている。これまでの新チップの開発サイクルを考えれば、2017年中や2018年の早い時期に、次期製品の開発を完了できるだろう。

GNSS通信(レシバー)チップ/モジュールのパッケージ。左の黒い2つがチップ単体。残りがモジュール。u-bloxのイメージ。
GNSS通信(レシバー)チップ/モジュールのパッケージ。左の黒い2つがチップ単体。残りがモジュール。u-bloxのイメージ。
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 一方で、これまで製品を投入してこなかった分野では、チップを外部から入手する。そのチップでモジュール製品を組み立てて、市場の反応を見たり、顧客からの要求を探ったりする。一定の市場規模が見込めたら、顧客の要望を反映しやすいように、チップを開発する。さきほど紹介したGNSSレシバーチップの8Mのように、1つのチップをベースにさまざまなモジュール製品を展開していく。