富士通インターコネクトテクノロジーズは、薄膜キャパシター(TFC:TFC=Thin Film Capacitor)を基板に内蔵する半導体パッケージ向け基板「GigaModule-EC 2.0」を開発した。
あわせて、同社現行品の「GigaModule-EC」を富士通がUNIXサーバー向けプロセッサー「SPARC64 XII」で採用したことを発表。同基板の量産を開始した。「JPCA Show 2017」(2017年6月7日~9日、東京ビッグサイト)で開催した記者発表会で明らかにした。
TFCを内蔵する3つのメリット
GigaModule-ECには、コア層にTFCを内蔵する「GigaModule-2EC」(以下、2EC)と、コアレス構造でTFCをビルドアップ層に内蔵する「GigaModule-4EC」(以下、4EC)がある。2ECは、TFCを最大2セットまで内蔵することができ、300μmピッチで接続できる。4ECは、TFCを1セット内蔵し、150μmピッチで接続できる。TFCはTDKが開発・製造している。
発表会に登壇した富士通インターコネクトテクノロジーズ ビジネス開発統括部 ビジネス開発室 プロジェクト部長の飯島和彦氏によると、TFCを内蔵するメリットは、主に3つあるという。
第1に、高周波領域におけるキャパシターの効きがいいこと。半導体のすぐ近くにキャパシターを置くことができるため、インダクタンスを非常に小さくできる。TFCなしで4つのセラミックキャパシターを外付けした基板と、4ECを電気特性で比較したところ、外付けセラミックキャパシター品のインダクタンスが0.24μHだったのに対して、4ECは0.8pHと「桁違い」に小さいことを確認した。
第2に、基板全体にキャパシターが配置されているため、エッチングで形成することによって、仕様に応じた容量を作ることができる。第3に、TFCの厚さが35μm以下と薄いため、0402(0.2mm厚)タイプと比べた場合、1/6(0.035mm厚)の厚さに抑えられることだ。