日本は分散型太陽光が牽引
日本の全電源の発電容量は、2015年の287GWから、2040年には413GWに増える(図7)。
2040年には、2015年に比べて、太陽光発電の発電容量は94GW増えて129GWとなる。増加分の65GWが分散型太陽光、29GWが大規模太陽光となる。この結果、2040年の太陽光発電の発電容量129GWうち、分散型発電が74GWとなる。
同社では、日本の大規模太陽光発電の新規導入市場について、2016~2017年が、規模の大きな市場としては、最後の時期になると見ている。事業性や系統連系の制約などから、その後は、これまでほど大きな市場ではなくなるとしている。
分散型太陽光発電については、住宅用で電力購入費との比較で優位となることが見込まれ、一定の規模の堅実な市場として推移すると見ている。
米国で先行していた「第三者所有型」と呼ばれる事業モデルが、日本でも立ち上がりつつあり、分散型太陽光発電の広がりを後押しすると分析している。
第三者所有型とは、住宅の所有者ではなく、太陽光発電事業者が屋根に発電システムを設置し、発電した電力を住宅の所有者が使うモデルである。導入資金やメンテナンスなどは、発電事業者が負担するため、手持ち資金がなくても住宅に太陽光を導入できる。
分散型太陽光発電に併設する蓄電池も増えると見ている。事業性の向上や、経済産業省によるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)関連の補助金などの効果による。
日本におけるEVの新規販売市場は、2040年に115万台と予想している。新規販売市場の32%を占める。2040年のEVによる電力需要は、93TWとなる見込み。
同社では、日本の2030年の電源構成は、政府の決めたベストストミック(望ましい電源構成)とは大きく異なる姿になると予想している(図8)。
太陽光発電は、政府が示す約7%を超えて、12.3%を占めると予想している。上振れするもう一つの電源が石炭火力で、政府案の26%ではなく、38%になるとしている。
一方、ガス火力は、政府の決めた27%とほぼ同水準の26.6%、原子力は政府の20~22%に対して9.1%に留まると試算している。