エネルギー関連のソリューション事業を手掛ける米Ensync Energy Systems(エンシンク)社は6月6日、太陽光発電と定置型蓄電池を活用した電力購入契約(PPA)を米ハワイ州の食品加工会社と締結したと発表した。

 エンシンク社のプロジェクト開発子会社でホノルルを拠点とするHolu Energy社を通じてEPC(設計・調達・施工)サービスなどを提供するもの。

 同プロジェクトでは、400kW以上の太陽光パネルを顧客の施設内に設置する。

 同社が開発した850kWhの定置型蓄電池システムと組み合わせ、エネルギー管理システム「Matrix」や「エネルギー・インターネット(IoE)」技術に基づく制御システム「DER Flex」などと共に、20フィート型のコンテナに収めて設置する。今後の数四半期でプロジェクトの完成を予定しているという。

 PPAの期間や買取価格は未公表だが、島しょであるハワイ州では電力コストが高いため、電力会社の料金を下回る価格で契約を締結したものとみられる。

 また、定置型蓄電池によって系統の停電時でも工場や配送施設の操業を通常通りに継続できるようになる。さらに、ハワイ電力が近く提供を開始する予定のサービスプログラムに参加し、需給バランス調整や周波数制御に協力することで収益化も見込んでいる。

 エンシンク社は、同プロジェクトを含めてハワイで稼働または建設・計画中のプロジェクトを合計18件手掛けているという。太陽光関連では、非営利団体(NPO)が運営する社会福祉施設に122kWの太陽光発電システムを設置し電力を低コストで供給するというPPAも締結している。