三重交通(津市)は6月6日、同社の大型バスの駐車場に、太陽光パネル付きの屋根を設置したと発表した。
これまで、三重交通の大型バスの駐車場は、屋根を備えていなかった。太陽光パネル付きの屋根とし、固定価格買取制度(FIT)を活用することで、売電収入で屋根の新設費を回収できるようにした。
大型バスの駐車場に屋根を設置することで、車輌の維持・点検時における作業性向上のほか、車内空調の消費エネルギーを削減できるという。
特に荒天時における、バス車両の点検などの作業環境が改善する。夏季の高温時には、バス車内の冷房に使う消費エネルギーを削減できる。冬季の霜対策にもなり、塗装の保護にもつながる。屋根上に取り付けた照明によって、防犯対策の向上にも寄与するという。
今回、四日市営業所(四日市)に設置した、出力457kWの太陽光発電システムが完成した。6月7日に売電を開始した。
四日市営業所のほか、中勢営業所(津市)、伊賀営業所(名張市)という3カ所の拠点に導入を進めている。3カ所で合計出力約1.6MWの太陽光発電システムを導入する。
四日市営業所のバスの駐車場には、約2億円を投じて、太陽光パネル付きの屋根を設置した。隣接する2つの駐車場にそれぞれ屋根を設置し、その上に合計約2700枚の太陽光パネルを並べた。
1カ所あたり44台、2カ所合計で88台が駐車できる。
売電価格は36円/kWh(税抜き)で、全量を中部電力に売電する。年間発電量は、一般家庭約130世帯分の消費電力に相当する、約47万6600kWhを見込んでいる。
EPC(設計・調達・施工)サービスは、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)の100%子会社であるJFEテクノス(横浜市鶴見区)が担当した。
太陽光パネルはソーラーフロンティア製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。
中勢営業所と伊賀営業所の大型バスの駐車場にも、同じように太陽光パネル付きの屋根を設置する。中勢営業所では2017年9月、伊賀営業所では同年11月に売電を開始する。
両営業所とも、四日市営業所と同じように、EPCサービスはJFEテクノスが担当し、太陽光パネルはソーラーフロンティア製を採用した。
中勢営業所の駐車場の太陽光発電システムは、出力811kWで、設置する太陽光パネルは約4800枚となり、年間発電量は約86万4800kWhを見込んでいる。
投資額は約3.2憶円で、太陽光パネル付きの屋根の下には、バス88台、自家用普通車191台が駐車できる。
伊賀営業所の駐車場の太陽光発電システムは、出力359kWで、設置する太陽光パネルは約2100枚となり、年間発電量は約35万900kWhを見込んでいる。
投資額は約1.5憶円で、太陽光パネル付きの屋根の下には、バス50台、自家用普通車34台が駐車できる。