記者会見に出席したスズキ会長の鈴木修氏(中央)、同社長の鈴木俊宏氏(右)、同副社長技術統括の本田治氏
記者会見に出席したスズキ会長の鈴木修氏(中央)、同社長の鈴木俊宏氏(右)、同副社長技術統括の本田治氏
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 2016年6月29日の株主総会の終了後、会長の鈴木修氏がこれまで兼務していた最高経営責任者(CEO)を辞退、副社長技術統括の本田治氏が退任へ――。スズキは、今回の燃費不正を受け、そうした役員異動を発表した。

 同社は同年5月31日、国土交通省から今回の燃費不正問題に関して責任を明確化し、再発防止策を報告するように指示を受けていた。同社はそれらについてまとめ、同年6月8日、国交省に報告するとともに記者会見を開いた。

 前述の役員異動は、経営責任を明確にするためのもの。鈴木会長は「私がCEOのときにこの問題を引き起こした」とし、CEOを辞退する。新しいCEOは、6月29日の株主総会で選任された代表取締役、取締役の中から、同総会後の最初の取締役会で選ぶとしている。

 会長とCEOの役割分担については、対外的なことは従来通り会長が行い、内部の業務執行についてはCEOが責任を持つという。再発防止に向けては、CEOが先頭に立って取り組むが、最高執行責任者(COO)や最高財務責任者(CFO)で分担しながら「チームスズキ」で取り組んでいくという。また、最終的な判断や決定を下すのは新しく選任されるCEOであり、鈴木会長はその判断・決定に従う立場になると説明した。ただ、同会長は「1年でぱっと変わることは非常に難しい。段階的にそうした仕事を引き継いでいく」という。