コニカミノルタは、創薬に生かすバイオイメージング技術について、フランスのパスツール研究所およびバイオアキシャル社との共同研究を始めた。生体内や細胞内での薬物の反応を検出するin vivo(イン・ビボ)試験で利用する蛍光ナノ粒子や観察システムの開発を目指す。

 このシステムでは、マウス体内での薬剤の動きや分布を直接観察するとともに、臓器や細胞に到達した薬剤が細胞の働きに与える影響を観察する。薬剤の効果や作用機序の観察を可能とし、薬効を正確に評価できるようになると期待される。

コニカミノルタの「1粒子蛍光イメージング」
コニカミノルタの「1粒子蛍光イメージング」
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 コニカミノルタはこれまでに、写真フィルムで培った銀塩粒子開発技術を応用し、従来の蛍光色素と比べて約3万倍の輝度と、高い光耐久性を備える蛍光ナノ粒子を開発した。この他、生体物質への親和性を持たせるナノ粒子表面修飾法と蛍光輝点解析ソフトを開発し、細胞やがん組織切片のタンパク質を1粒子ずつカウントする「1粒子蛍光イメージング」にも成功している。

 今後は自社開発する蛍光ナノ粒子と画像解析技術を、パスツール研究所のイメージング技術やバイオアキシャル社の超解像画像観察装置と連携させる。これを通じ、新しいインビボイメージング技術を実現していく考え。