バンブーエナジーによる竹燃料バイオマス熱電併給の仕組み
バンブーエナジーによる竹燃料バイオマス熱電併給の仕組み
(出所:関西電力)
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バンブーフロンティア事業の施設全景
バンブーフロンティア事業の施設全景
(出所:関西電力)
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 関西電力は5月31日、バンブーエナジー(熊本県南関町)が実施する、竹を活用したバイオマス・コージェネレーション(熱電併給)事業に出資すると発表した。

 同事業に参画することで、竹燃料バイオマスコージェネの知見を獲得するとともに、2030年までに500MW程度の再生可能エネルギー電源を開発することを目指す。

 竹を燃焼すると、灰の中にカリウムとシリカ分が共晶した「クリンカ」という成分が発生して炉壁やボイラー内の伝熱管に付着するため、これまで燃料用途では敬遠されていた。竹とパーク材を混焼することでクリンカの発生を抑制し、竹をバイオマス燃料として利用することを実現した。

 バンブーエナジーの竹バイオマスコージェネ設備は、燃料に竹およびパーク材を1日に77t使用して、発電端出力約1MWの電力と、温水約2.8MW、熱媒油約2.8MWの熱出力が得られる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業として2018年6月ごろに着工し、2019年1月から稼働開始する予定。

 バンブーエナジーとバンブーフロンティア(熊本県南関町)、バンブーマテリアル(熊本県南関町)の3社で行う「バンブーフロンティア事業」の一部。同事業は、地域の未利用資源である竹を原材料から電気、熱利用までカスケード利用することで、竹材の搬出による荒廃竹林の整備から竹の工業製品算出までの新規サプライチェーンを構築し、雇用創出などの地方創成を目指す。

 バンブーフロンティアが竹材を調達するとともに建築資材に適さない竹や残竹をチップ材へ加工し、バンブーエナジーがチップ材をバイオマス燃料に用いて電力と熱を供給する。バンブーマテリアルは、バンブーフロンティアから竹材、バンブーエナジーからエネルギーの供給を受け、竹の特性を生かした新建材および不燃新建材の開発と製造販売を行う。