アレックスCEOの辻野晃一郎氏
アレックスCEOの辻野晃一郎氏
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トヨタ自動車の先進技術開発カンパニーのPresidentで専務役員の伊勢清貴氏
トヨタ自動車の先進技術開発カンパニーのPresidentで専務役員の伊勢清貴氏
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 「『悪事を働かなくてもお金は稼げる』という考え方がグーグルにはある。(三菱自動車の燃費偽装などの)不祥事が頻発しているが、グーグルにはこの哲学が最初から組み込まれている。不正があれば、早い段階で社員が発見して自浄作用が働き始めるような仕組みだ。日本でも企業を刷新するうえでグーグル流は参考になる」

 2016年6月3日、日本科学技術連盟(以下、日科技連)が開催した「第102回 品質管理シンポジウム」(6月2~4日に開催)の基調講演で、アレックスの代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の辻野晃一郎氏はこう強調した。同氏はソニーの元幹部で米Google社日本法人の元社長でもある。

 辻野氏は両社で働いた経験を踏まえて、イノベーションとそれを生みだす企業文化を中心テーマに講演した。

 「空気を読まない人間が大事になる。時代を創るのは常にイノベーションだ。昨日までと同じことをやっていてもダメで、冒険、チャレンジしないといけない。リスクをとることが重要だ。どんなに素晴らしいアイデアや技術があっても広く普及しなければ真のイノベーションとは言えない」(辻野氏)

 ソニーがかつて起こしたイノベーションは、「モルモット精神」とも言われたチャレンジスピリットで、「人のやらないことを真っ先に、実験台としてやることから生まれた。人より早く、一番にやるという意識が非常に強い会社だった」(同氏)という。