「ソフトバンク鹿児島湧水ソーラーパーク」
「ソフトバンク鹿児島湧水ソーラーパーク」
(出所:SBエナジー)
[画像のクリックで拡大表示]
運転開始セレモニーの様子
運転開始セレモニーの様子
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
パネルはカナディアン・ソーラー、パワコンはTMEIC製
パネルはカナディアン・ソーラー、パワコンはTMEIC製
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 ソフトバンクの子会社の再生可能エネルギー事業などを手掛けるSBエナジー(東京都港区)は6月1日、鹿児島県姶良郡湧水町に、出力32.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「ソフトバンク鹿児島湧水ソーラーパーク」を完成し、運転開始式を開催した。

 式典には、湧水町の池上滝一町長など、約80人が出席した。池上町長は、「長い間、町の懸案だった未利用地が、クリーンな電気を生み出す太陽光発電所になり、まさに感無量だ。二酸化炭素削減への貢献は、町の進める環境政策にも沿っている」と述べた。

 事業主体である特定目的会社(SPC)は、「鹿児島湧水ソーラーパーク合同会社」で、SBエナジーと三菱UFJリースが折半出資で設立した。SPCが町有地を賃借し、固定価格買取制度(FIT)を利用して発電事業を行う。買取価格は40円/kWh(税別)となる。

 みずほ銀行を幹事に、鹿児島銀行など地方金融機関の参加したプロジェクトファイナンスを組成して融資を受けた。

 湧水町木場にある、面積約36.2haの敷地に太陽光パネル約12万4000枚を並べるとともに3つの調整池を設置した。事業用地はかつて民間企業がゴルフ場開発を進めたが、未完成のまま頓挫した経緯がある。町が買い取り、再開発を目指したが、未利用のままになっていた。

 太陽光パネルの設置容量は約32.3MW、連系出力は23MWとなる。稼働後の年間発電量は、一般家庭約9883世帯分の消費電力に相当する、約3558万2000kWhを見込んでいる。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、九電工が担当した。太陽光パネルはカナディアン・ソーラー製(260W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(500kW機)、基礎・架台は日本ヒルティ製を採用した。

 本格的な造成をせず、土地なりにパネルを設置した。設置角を5度まで低くし、アレイ(パネルの設置単位)間の距離を80cmまで近づけることで設置枚数を増やした。敷地内にU字側溝を整備し、3つの調整池に雨水を貯め、土砂を沈殿させたうえで外部に流す治水設計とした。3つの調整池の貯留能力は、合計で約5万6800m3に達する。

 稼働後のO&M(運用・保守)サービスは、九電工が担当し、技術者2人が常駐するほか、除草を担当する専任の要員も常時、配置する予定という。