米Tektronix社は、ミッドレンジオシロスコープの新製品「5シリーズMSO(Mixed Signal Oscilloscope)」を発売した(日本語ニュースリリース)。5つの「世界初」(同社)の仕様を盛り込み、既存の製品とは一線を画するオシロだとする。

登壇したDave Slack氏。舞台右側にあるのが新製品のオシロ。日経テクノロジーオンラインが撮影。スクリーンはTektronixのスライドで、開発の背景を説明。
登壇したDave Slack氏。舞台右側にあるのが新製品のオシロ。日経テクノロジーオンラインが撮影。スクリーンはTektronixのスライドで、開発の背景を説明。
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 5つの世界初の仕様とは、(1)「最大8チャネル」という多入力、(2)「任意の入力チャネルをアナログにもディジタルにもできる」という柔軟性(「FlexChannel」と呼ぶ)、(3)「静電容量式タッチスクリーンが付いた15.6型HD(1920画素×1080画素)」という大型ディスプレー、(4)「タッチ操作に最適化して一から開発した」というユーザーインタフェース、(5)「Windowsまたは組み込みLinux」というユーザーが選べるOS、だという。

 東京で開いた報道機関向け発表会に登壇した同社のDave Slack氏(オシロスコープ事業部マーケティングマネージャー)によれば、「測定対象の複雑化によって、これまでのオシロで標準的だった4チャネルでは入力数が不足するケースが増えている。オシロを2台並べて使うことも少なくない」(同氏)。そこで今回、標準的な4チャネル入力機に加えて、6チャネル機、そして8チャネル機を用意した。各入力は、アナログ1チャネルまたはデジタル8チャネルとして使える。なお、デジタル入力として使う場合には、オプションのプローブが必要である。

新製品の主な仕様。Tektronixのスライド。
新製品の主な仕様。Tektronixのスライド。
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 入力数の多さだけでなく、操作性を大きく向上させたことも新製品の特徴である。HD解像度(1920画素×1080画素)で15.6型のカラーディスプレーには、静電容量式のタッチスクリーンが付く。最近の計測器ではタッチスクリーンが付いた製品が増えてきたが、操作性が今一歩というケースもある。一方で新製品は、「ピンチ、ズーム、スワイプなど、スマートフォンと同様に操作できる」(同氏)という。タッチ機能を実現するハードウエア的な性能を上げたことに加えて、「タッチ操作を前提にユーザーインターフェースを一から開発した」(同氏)ことが効いているようだ。なお、新製品はマウスやボタンを使っても操作できる。

奥行は204mmと薄い。Tektronixのスライド。
奥行は204mmと薄い。Tektronixのスライド。
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