フィード・イン・プレミアム(FIP)の比較
フィード・イン・プレミアム(FIP)の比較
(出所:経産省)
[画像のクリックで拡大表示]
主なFIPの仕組みのイメージ
主なFIPの仕組みのイメージ
(出所:経産省)
[画像のクリックで拡大表示]
「太陽光+蓄電池」4形態の実現イメージ
「太陽光+蓄電池」4形態の実現イメージ
(出所:経産省)
[画像のクリックで拡大表示]
系統接続の「コネクト&マネージ」(系統容量不足の管理など)に関する海外事例
系統接続の「コネクト&マネージ」(系統容量不足の管理など)に関する海外事例
(出所:経産省)
[画像のクリックで拡大表示]

 経済産業省は5月25日、「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題について」と掲げた検討会の第1回会合を開催した。固定価格買取制度(FIT)の改正法が施行されたのを受け、再エネを推進する上で残っている課題を検討し、方向性を議論するのが目的。

 「経産省の省エネルギー新エネルギー部長の私的な研究会」という位置づけで、座長は、山地憲治・地球環境産業技術研究機構(RITE)理事・研究所長が務める。山地氏は、新エネルギー小委員会の委員長を務めている。

 会議の冒頭に藤木俊光・省エネルギー新エネルギー部長は、「FITの改正によって、滞留案件の失効や入札制度、中長期的な買取価格の設定など、これまで5年間のFITの課題に対応できた。そこで、より根本的な問題に取り組みたいと考えた。それは、再エネをいかに自立化して国を支える電源にしていくか。そして、それを電力系統にどのように受け入れるか、という大きく2つの懸案がある」と語った。

 そして、再エネの自立化に関しては、「国際水準に比較して高い発電コストを下げていくことが必須」(山崎琢矢・新エネルギー課長)とし、ドイツで導入例のある、市場連動型の「フィード・イン・プレミアム(FIP)」の手法が紹介された。加えて、「自家消費モデル」を拡大すべきとし、そのために蓄電池のコストダウンの重要性も強調した。

 また、ローカル系統の制約に関しては、現在の日本で導入している「先着優先」(系統の空き容量の範囲内で先着順に受け入れる制度)でなく、混雑時の出力抑制など、一定の条件下で接続を認める「コネクト&マネージ」を導入すべきではないか、と問題提起した。

 また、出力制御の公平性の観点から、「30日等出力制御枠(接続可能量)を設定せず、全てを指定ルールとし、原則として無制限・無補償の出力抑制を行うべきという意見も出されている」とし、出力制御のルール変更にも含みを持たせた。

 今回の研究会は、「新エネルギー小委員会と違い、何かをいつまでに決めるという役割を持つものでない」(藤木部長)としつつも、FIPやコネクト&マネージ、出力制御ルールの見直しなどに関し、今後の制度変更や新制度を睨んだ地ならしになる可能性もある。