月経周期管理アプリ「ルナルナ」が、医療現場へと活躍のフィールドを広げる。提供元のエムティーアイが2017年6月1日から、ユーザーと医師の間の情報共有機能「ルナルナ メディコ」のサービスを開始。ユーザーがルナルナに記録した月経周期や基礎体温などのデータを、医師が問診時にタブレット端末で閲覧し、診療に活用できるようにする。ルナルナが医療機関向け機能を備えるのは初めてで「2017年内に電子カルテとも連携させる」(エムティーアイ ルナルナ事業部 事業部長の日根麻綾氏)。

エムティーアイ ルナルナ事業部 事業部長の日根麻綾氏
エムティーアイ ルナルナ事業部 事業部長の日根麻綾氏
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 体調管理や妊活を目的として、月経周期や基礎体温の記録にルナルナなどのスマートフォンアプリを使う女性は増えている。ルナルナ メディコの開発を監修した広尾レディース 院長の宗田聡氏によれば、同院を受診した女性を対象とする調査では、回答者の50%以上が月経周期の管理にアプリを利用していたという。

 産婦人科を受診する際、アプリに記録したデータを医師に見せるというケースも少なくない。エムティーアイの調査によれば、月経周期や基礎体温を記録するデジタルツールを患者から提示された経験を持つ産婦人科医の割合は80%以上に達するという。そもそも「月経周期や基礎体温を記録している女性の2~3割が、産婦人科の受診時にデータを見せることを想定して記録を取っている」(エムティーアイの日根氏)。

 一方で、スマートフォンのアプリ画面を医師に見せるというやり方では、提示に時間が掛かったり、画面が小さく医師がデータを確認しづらかったりするという課題があった。そこでルナルナ メディコでは、ユーザーがルナルナに記録した月経周期や基礎体温のデータを、医師が確認しやすく操作しやすいフォーマットで専用のタブレット端末に表示。医師がルナルナのデータを、問診時に手間を取られずに閲覧できるようにした。

ルナルナ メディコの開発を監修した広尾レディース 院長の宗田聡氏
ルナルナ メディコの開発を監修した広尾レディース 院長の宗田聡氏
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 ルナルナ メディコの具体的な仕組みはこうだ。ルナルナユーザーが産婦人科の受診前、アプリ上でデータの開示に同意すると6桁の番号(確認コード)が発行される。受診時には、その確認コードを医師に伝える。医師が確認コードを専用のタブレット端末に入力すると、生年月日で本人確認をしたうえでデータを閲覧できる。専用のタブレット端末は、ルナルナ メディコを導入する医療機関に対してエムティーアイが配布する。