月経痛で「年間7000億円の社会的損失」

医師側の閲覧画面例
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 まずはルナルナのデータの医療機関での閲覧機能を6月1日から提供。同月中旬からは、ルナルナ メディコの導入医療機関をルナルナ上で紹介するサービスも始める。

 医療機関には有償(月額数千円)、ルナルナのエンドユーザーには無償で提供する機能だが、サービス開始から半年間はモニター期間として、医療機関側も無償で利用可能だ。既に4つの医療機関で実証中および実証予定で、2020年までに1000施設への導入を目指す。

 エムティーアイは今後、ルナルナ メディコの機能を順次、拡充する。ルナルナを通じた受診啓発や、電子カルテとの連携、診療支援ツールとしての機能追加などを予定している。電子カルテとの連携については、ルナルナ メディコの導入クリニックから「既に意見を受け取っており、(電子カルテ)事業者と話を詰めているところ」(日根氏)という。2017年内に連携を開始する予定だ。

東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 教授の大須賀穣氏
東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 教授の大須賀穣氏
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 エムティーアイは2017年5月31日、ルナルナ メディコの発表会を東京都内で開催。産婦人科医として、広尾レディース院長の宗田氏のほか、東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座 教授の大須賀穣氏が登壇した。

 大須賀氏は、近年の晩婚化・晩産化を背景に、女性が生涯に経験する月経回数が「明治時代に比べれば数十倍という規模で増えている」と指摘。結果として、生涯の長期間にわたり月経痛に苦しむ女性が増えており、月経痛にかかわる社会経済的負担は「年間で7000億円近くと試算される」とした。子宮内膜症などの月経関連疾患も増加しており、緊急な対策が必要な状況という。

 月経痛などに悩む女性が多い一方で、医療機関を受診するほどではないと自分で判断したり、受診に抵抗感を感じる女性も少なくないという。知識や意識面での改善も求められるとした。