「乾式メタン発酵技術(KURITA DRANCO PROCESS)」発酵槽の構造
「乾式メタン発酵技術(KURITA DRANCO PROCESS)」発酵槽の構造
(出所:栗田工業)
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 栗田工業は、全国都市清掃会議(全都清)に申請していた「乾式メタン発酵技術(KURITA DRANCO PROCESS)」の技術検証・確認が5月23日付で完了したと発表した。

 全都清は、廃棄物処理に関する技術を検証・確認し、地方公共団体へ技術情報を提供することで全国の清掃事業の技術向上を推進している。

 「KURITA DRANCO PROCESS」は、1999年にベルギーのOrganic Waste Systems社から導入した基幹技術(原料供給設備、メタン発酵設備)と、既に国内実績のある周辺技術から構成される。

 かくはん装置や加温装置が不要で、省スペースの縦型発酵槽を採用。厨芥類、動植物性残さ、紙類、家畜ふん尿、繊維分の多い稲わらや草類など、多様な動植物系廃棄物を発酵させて、安定的にバイオガスを回収できる。

 同技術の海外実用施設については、欧州を中心に既に26施設が稼働している。多くの施設では日本のゴミよりメタン発酵条件の悪いゴミ(異物の混入が多いゴミ)を処理しており、全都清の技術検証・確認では、日本のゴミにも適用できることを確認した。

 また、周辺技術を含めたシステム全体が、廃棄物の処理および清掃に関する法律などの国内の要求事項に適合可能であることを確認した。

 同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として、富士クリーン(香川県綾川町)と共同で単一発酵槽として国内最大規模(約3000m3)の乾式メタン発酵施設の建設を進めており、来年3月に工事完了、10月に運転開始を予定する。