肺癌と大腸癌などの消化器癌でドライバー遺伝子変異の検索を進めている国立がん研究センターのSCRUM-Japan事業が2017年5月27日放送のテレビ番組「サタデーステーション」(ANN系)で取り上げられたことを受け、28日同センターに問い合わせが殺到、電話が繋がり難い状況に陥った。

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がん遺伝子を全国規模でスクリーニング、「SCRUM-Japan」が始動

 SCRUM-Japanは、日本初の産学連携全国癌ゲノムスクリーニングプロジェクト。大規模な遺伝子異常のスクリーニングにより、希少頻度の遺伝子異常を持つがん患者を発見し、遺伝子解析の結果に基づいた有望な治療薬を届けることを目的にしている。2013年に希少肺癌の遺伝子スクリーニングネットワーク「LC-SCRUM-Japan」として国立がん研究センター東病院の後藤功一呼吸器内科長が中心となって発足。2014年に大腸癌遺伝子スクリーニングネットワーク「GI-SCREEN」がスタート、両者が統合して現在のSCRUM-Japanの陣容となった(事業代表者:国立がん研究センター東病院・大津敦院長)。全国200以上の医療機関と15の製薬会社が参加している。

 放送の反響で電話が殺到、電話がつながり難くなったことを受けて、同センターではホームページに、SCRUM-Japanへの参加を希望する患者は、「主治医に相談するか、お近くのスクラム・ジャパンに参加する病院まで、スクラム・ジャパンに参加したい旨、お問い合わせください」と呼びかけている。