国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は5月24日、世界全体の再生可能エネルギー産業における雇用が2016年の時点で980万人以上まで増加したと発表した。

 同機関が第13回会合で公開した調査報告書「Renewable Energy and Jobs – Annual Review 2017」によるもの。

 IRENAのアドナン・アミン事務総長は、「下落するコストと政策による支援が、世界中の再エネにおける投資と雇用を着実に押し上げている。例えば、この過去4年間で太陽光と風力を合わせると、創出された雇用は倍以上に増加した」と述べている。

 IRENAによると、再エネの導入が今後も継続的に進められれば、再エネ分野の労働者数は2030年までに2400万人に達する可能性もあるという。「この数は、化石燃料分野で失われる雇用を補って余りあり、再エネは世界中で経済の主要な推進力になっている」(アミン事務総長)という。

 エネルギー別では、昨年に引き続き2016年も太陽光が最多で、前の年に比べ12%増となる310万人の雇用を占めていた(図)(関連記事1)。

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2016年の再エネ雇用は世界全体で980万人に増加、太陽光は前年に続き310万人で最多
2016年の再エネ雇用は世界全体で980万人に増加、太陽光は前年に続き310万人で最多
(出所:IRENA)
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 太陽光の雇用は主に中国、米国、インドが占めており、米国では2015年に比べ24.5%増となる26万人が太陽光発電に関連する仕事に従事していた。この伸び率は、全米の全体的な雇用の伸び率の17倍以上である。