全身対応超音波診断装置「EPIQ7/ Affiniti 70」
全身対応超音波診断装置「EPIQ7/ Affiniti 70」
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新たに発表したS8-3t micro経食道トランスデューサー
新たに発表したS8-3t micro経食道トランスデューサー
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 フィリップス エレクトロニクス ジャパンは、経食道超音波検査(経食道心エコー)の充実と、胎児診断における先天性疾患の早期発見にフォーカスした全身対応超音波診断装置「EPIQ 7/ 5Evolution 3.0」「Affiniti 70 / 50 Continuum 1.0」を2017年5月23日に販売開始した。

 今回、経食道超音波検査を充実させるため、新たに経食道トランスデューサー(探触子)2機種を発表した。EPIQ7/5に対応するX8-2t マトリックスアレイ経食道トランスデューサーは、ボリュームレート・画質を大きく向上させた。また、トランスデューサーコントロール部にセンターボタンを配置し、超音波診断装置本体上での画像の切り出し機能をシンプルで直感的に操作できるようにした。

 EPIQ7/5、Affiniti 70に対応するS8-3t micro経食道トランスデューサーは、先端チップ径が5.5mmの細径マルチプレーン経食道トランスデューサーで、体重2.5kg以上の新生児から成人まで使用可能。幼児や新生児など体格の小さい小児に対する経食道心エコー図による心臓手術中の循環管理を可能にした。新生児の手術方針の決定補助、術中の循環管理や心機能・形態の評価、術後管理方針の決定補助などへの有効性が期待されるという。

 また、Affiniti 70は、リアルタイム3D経食道トランスデューサー(高周波X7-2tマトリクストランスデューサー)と各種解析機能に対応した。これにより、リアルタイム3D経食道心エコー検査が可能な同社の装置は、EPIQ7、Affiniti 70、CX50の3機種となった。

胎児心臓検査、先天性疾患の早期発見支援を強化

 胎児診断における先天性疾患の早期発見をサポートする機能も拡充した。1つが、運動方向にとらわれずに心筋の壁運動解析が可能なスペックルトラッキング法に解剖学的自動認識を用いた解析機能の進化。この解析機能「aCMQ」の解析アルゴリズムをより進化させ、トラッキング精度を向上させたほか、簡単で柔軟に使えるよう操作性を改善したという。心電図入力のない画像・コンベックストランスデューサーで撮影した画像でも解析を可能にすることで、胎児心臓へも応用できるようになった。

 また、心筋を内層と外層に分けて解析することができるようになるなど、より広い範囲でスペックルトラッキングの応用を可能にした。このほか、心内膜を自動でトラッキングし容積を算出する「a2DQ」と呼ばれる機能では、従来の左室容積カーブに加えて、新たに左房の容積カーブと駆出率の自動解析に対応した。