発電所前での記念撮影
発電所前での記念撮影
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
積雪に備え設置角は30度、設置高は1.5mにした
積雪に備え設置角は30度、設置高は1.5mにした
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 スペイン系の再生可能エネルギー開発会社、X-Elio Japan(エクセリオ・ジャパン、東京都中央区)は5月26日、岩手県洋野町で「洋野太陽光発電所」の開所式を行った。発電事業の関係者のほか、洋野町の水上信宏町長やスペイン大使館員などが参加した。出力約25MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)で、同町で最大規模の太陽光発電所となる。

 事業用地は、旧岩手洋野ゴルフクラブの41haの敷地を活用した。本格的に造成せず、傾斜面に土地なりにパネルを設置した。EPC(設計・調達・施工)サービスは、juwi自然電力が担当し、送電線工事などは東京パワーテクノロジー、土木工事は吉田組が担った。

 太陽光パネルは、インリー・グリーンエナジー製(305W/枚・8万1263枚)、パワーコンディショナー(PCS)は日立製作所製(660kW機)、基礎・架台はX-Elio(エクセリオ)のグループ会社の製品を採用した。パネルの設置容量は出力24.79MW、連系出力は20MWとなる。

 エクセリオ・ジャパンの出資した特定目的会社(SPC)にドイツ銀行が融資した。

 冬の積雪に配慮し、太陽光パネルの設置角度は30度、パネル最低部から地上までの設置高は1.5mを確保した。同発電所は洋野町の山間に立地するため、冬季に最大で90cm程度の最深雪となるが、こうした架台設計によりパネル下の除雪は必要ないとしている。

 開所式後には、洋野町文化会館を会場に、フラメンコのギターや踊りなどによる「文化交流コンサート」を開催した。洋野町立中学校の生徒を中心に一般市民など約700人が観賞した。エクセリオ・ジャパンでは、今後も、洋野町の住民とスペインとの交流に取り組んでいくとしている。

 洋野町では、今回の「洋野太陽光発電所」を含め、すでに出力17MW分のメガソーラーが稼働している。さらに37MW分のメガソーラーの案件が、設備認定と系統連系の承諾を取得している。これらがすべて稼働すると合計で67MWの太陽光発電所が立地することになる。