稼働済みの佐伯発電所
稼働済みの佐伯発電所
(出所:イーレックス)
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 イーレックスは5月25日、シンガポールに燃料調達に関する統括拠点となる現地子会社を設立すると発表した。主にASEAN地域でのバイオマス燃料ソースを確保することが目的で、同社が保有するバイオマス発電所に燃料を供給するとともに、他の発電事業者に燃料を販売する。設立は6月1日付けとなる。

 社名は「eREX Singapore Pte. Ltd」(仮称)。資本金は200万ドル(約22億円)で、イーレックスが100%出資する。代表者は、イーレックスの本名均社長が兼任する。主な事業内容は燃料トレーディング事業および輸送管理業務で、8月中旬から営業を開始する。

 イーレックスでは、再生可能エネルギー事業として大規模バイオマス発電を推進している。これまでに、同社関連会社であるイーレックスニューエナジーの土佐発電所(高知市)が2013年6月に、イーレックスニューエナジー佐伯の佐伯発電所(大分県佐伯市)が2016年11月に商業運転を開始した。主燃料はパーム椰子殻(PKS)。定格出力は、高知発電所が29.5MW、佐伯発電所が50MW。

 また、同社と九電工、九電みらいエナジー(福岡市)の3社が出資する豊前ニューエナジー合同会社が事業主となって、豊前バイオマス発電所(福岡県豊前市)を今年3月に着工した。定格出力は74.95MW、年間発電量は約50万MWh。PKSと木質ペレットを年間約30万t使用し、年間約26万4000tのCO2削減効果が推定される。2019年10月に商業運転を開始する予定。