ビーコンの双方向化とメッシュ化でユーザーの動きも分かる
ビーコンの双方向化とメッシュ化でユーザーの動きも分かる
テックファームがリニアテクノロジーのブースに展示していたビーコンとスマートフォン。メッシュ状に配置したビーコンを使うとユーザーの動態が分かる。
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 米Linear Technology社は、同社が推進している無線ネットワーク技術「dust networks」の制御アルゴリズムを改良し、1システムに接続可能な端末を最大50万台に拡大する。「ワイヤレスジャパン2016」(2016年5月25~27日、東京ビッグサイト)でリニアテクノロジーが明らかにした。センサー端末を使ったIoT分野への応用のうち、特に広範なエリアに多くの端末を配置する物流やメーター監視などへ展開していく。

 dust networksは、端末が発する電波の干渉を最小限に抑えて、接続信頼性の向上と電力消費の抑制を狙った技術である。ユーザーが免許不要で利用できる2.4GHz帯(ISM帯)を使う。普及を促す「dust consortium」などを通じて導入が増えているという。

 電波の干渉を抑えられるのは、端末が通信に使う無線リソースを周波数と時間で区切ったスロットに割り当てているためだ。各端末が決めたタイミングで電波を発する他のシステムでは、端末数が増えればそれだけ同時に電波を発する衝突の頻度が高まり、通信効率が落ちる。端末が消費する電力も大きくなる。