住友電気工業が横浜製作所に設置したレドックスフロー電池の例
住友電気工業が横浜製作所に設置したレドックスフロー電池の例
(出所:住友電気工業)
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 住友電気工業は5月25日、同社グループが、米国の大手電力会社であるSan Diego Gas and Electric社と、レドックスフロー電池を使った蓄電システムに関する実証実施契約(Implementation Document)を締結したと発表した。

 レドックスフロー電池を使った蓄電システムとして、米国で最大規模になるという。住友電気工業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、実施する。

 San Diego Gas and Electric社が事業を展開している米国カリフォルニア州は、再生可能エネルギーの導入目標として、2020年に33%という高い目標を掲げている。

 この目標達成に向けた太陽光発電の導入量の増加とともに、送電・配電事業において、朝夕の急激な需要変動や、電力品質の劣化といった問題が顕在化してきた。そこで、同州では、州法(AB2514)によって、電力系統に大規模なエネルギー貯蔵システムを導入することを課している。

 住友電気工業では、この用途にレドックスフロー電池が有効と強調している。

 実証は、San Diego Gas and Electric社の変電所内に、住友電気工業製のレドックスフロー電池(出力2MW×4時間)を設置し、送電・配電併用運転による事業性の向上を検討することを目的とする。

 2016年秋から、配電網において実証運転を開始する。その後、送電網に接続してアンシラリーサービス(周波数や電圧の制御、緊急用の予備電力確保といった電力関連サービス)などを提供し、さらに事業性や信頼性を検証する。