パナソニックの太陽電池モジュール
パナソニックの太陽電池モジュール
(出所:パナソニック)
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 パナソニックは5月24日、シリコン系太陽光パネルの出力温度係数について、量産レベルとしては世界最高水準となる−0.258%/℃を達成したと発表した。同社製太陽光パネル「HIT」の特徴である「ヘテロ接合技術」を改良したことで、同社従来品の−0.29%/℃から、さらに0.032ポイント上回った。

 太陽電池セル(発電素子)を実装する太陽光パネル(モジュール)は、温度が上昇すると変換効率が低下し、それに伴い出力も低下する。その低下度合いを示した指数が出力温度係数で、一般的なシリコン系太陽電池では−0.50%/℃程度(モジュール温度が1℃上昇すると変換効率が0.50%低下する)となる。

 例えば、夏季に想定されるモジュール温度(75℃)では、25℃時より変換効率が25%低下する。一方、出力温度係数を改善した同社製モジュールは、変換効率の低下を約半分に抑えられるという。

 同社が太陽電池モジュールに採用するヘテロ接合技術は、結晶シリコン基板表面をアモルファス(非晶質)シリコン膜で覆うことで太陽電池に必要な接合形成を行うもので、シリコン基板表面付近に多数存在する欠陥を補償するパッシベーション性能に優れる。今回、出力温度係数を改善させた関連技術は、2016年4月生産分から導入済み。