スペインのALTEN Energías Renovables(ALTENリニューアブルエナジー)社は5月23日、アフリカ南西部のナミビアで国営の電力会社であるNamPower社による入札において、設備容量45.5MW(連系出力37MW)のメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトの受注を獲得したと発表した。

ALTEN社がスペインのバダホス(Badajos)に建設した太陽光発電所
ALTEN社がスペインのバダホス(Badajos)に建設した太陽光発電所
(出所:PRNewsfoto/ALTEN Energías Renovables)
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 完成するとナミビアで最大の太陽光発電所となり、南アフリカ共和国を除くサハラ砂漠以南のアフリカにおいても、最大規模のメガソーラーの一つになるという。

 首都ウィントフック(Windhoek)の南方230kmにあるハルダップ(Hardap)州マリエンタール(Mariental)で100haの用地に約14万枚の結晶シリコン製太陽光パネルを設置する。

 ナミビアの年間晴天日数は平均300日ほどあり、日照条件に恵まれていることに加え、一軸追尾式架台の採用により発電量のさらなる増加を狙っている。

 総投資額は4500万ドル、2018年前半に稼働開始を予定している。完成後は25年間の運転を見込む。年間の予想発電量は116GWhで、これはナミビアの電力需要の3%以上、同国人口の7万5000人が消費する電力に相当するという。

 ナミビアの電力インフラは、アフリカのなかでも相対的に整備が進んでおり、電化率も高い。だが、輸入する化石燃料への依存度が大きい。今回のメガソーラーによって、ナミビアでは、他国へのエネルギー依存度を約5%低減できると見込んでいる。

 ALTEN社は、同メガソーラーの企画・開発、資金調達、建設の管理、完成後のO&M(運用・保守)などを担当する。プロジェクトは既に開始しており、現在は資金調達や建設業者の選定などの段階にあるという。

 資金調達のため投資ビークルとしてALTEN Hardap社を設立しており、ALTEN社以外にNamPower社も19%を出資しているほか、地元の投資家などが同プロジェクトに参画している。

 ALTENリニューアブルエナジー社は、太陽光発電事業をグローバルに展開しており、スペイン、オランダ、メキシコ、アフリカではケニア、ナイジェリア、ナミビアに事業拠点を持つ。

 メキシコでは348MWのプロジェクトを受注済みで、ケニアやナミビアでは合計520MW分のプロジェクトが資金調達の段階にあるという。また、アフリカや中南米で取り組んでいるメガソーラープロジェクトは、合計1GWに達するという。