SUBARU(スバル)は2017年5月24日、衝突試験を群馬製作所(太田市)の本工場で報道陣に公開した。公開したのはオフセット前突試験(オフセット率40%)と、歩行者保護エアバッグの作動試験である。

 オフセット前突試験では、5月24日に発売した新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XV」を用いた(図1)。同車は2016年10月に発売したスポーツセダンの新型「インプレッサ」と同様に「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」を採用し、衝突安全性を高めている。

図1 オフセット前突試験
図1 オフセット前突試験
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 試験車両を64km/hで走らせ、車両の右前方(運転席側)を障害物に衝突させた。衝突後30ms(ミリ秒)でエアバッグが作動し、車両の前部は大きくつぶれて衝突のエネルギーを吸収したが、乗員室はつぶれず、フロントウインドーは割れなかった。衝突後の運転席側のフロントドアは、衝突前と同じ力で開閉できた(図2)。

図2 衝突後も運転席側のドアは開閉できた
図2 衝突後も運転席側のドアは開閉できた
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 衝突時にフロントフードのヒンジ部が持ち上がる機構を採用し、フロントフードの先端がフロントウインドーに突き刺さらないようにした。これにより、フロントウインドーが割れるのを防げる。

 スバルは今後、オブリーク衝突(斜め衝突)や重量車衝突などの条件が厳しいあらゆる衝突に対応できるように、SGPの改善を進めるという。