旧Gestamp Asetym Solar Japanの開発した茨城県大子町のメガソーラー
旧Gestamp Asetym Solar Japanの開発した茨城県大子町のメガソーラー
(出所:X-Elio Japan )
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 海外系の再生可能エネルギー開発会社、X-Elio Japan(エクセリオ・ジャパン、東京都中央区)は5月23日、NECネッツエスアイと、山間地を主体としたメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設計・施工やO&M(運営・保守)などでの業務提携に向け、検討を始めたと発表した。2016年度中の契約締結を目指し、今後、協議を進める。

 両社が共同で建設する最初のメガソーラープロジェクトは、宮城県内に着工する出力約26MWの案件で、エクセリオが開発・運営し、NECネッツエスアイがEPC(設計・調達・施工)サービスを担当する。同案件は、山間地に設置するため、開発規模を最小限に抑えてコストを低減する方法などに関して、共同で検討する。

 メガソーラーの建設用地は、固定価格買取制度(FIT)の開始から4年経ち、平地にある工業用地などから、未開発の山間地などに移ってきた。山間地を大規模に開発してメガソーラーを建設する場合、できるだけ開発面積と土量の移動を少なくする一方、パネルの設置面積を広くする必要がある。エクセリオは、NECネッツエスアイと共同し、こうした設計・施工のノウハウを蓄積する。

 X-Elio(エクセリオ)は、元々スペイン系の自動車部品大手のゲスタンプグループだったが、2015年12月に米大手投資ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)社による買収が完了した。元々の親会社のゲスタンプは少数株主となり、KKRの傘下に入った。それに伴い、社名をGestamp Asetym Solar から、X-Elioに変更し、日本法人もX-Elio Japanとなった。

 エクセリオは、日本におけるメガソーラーの開発目標を600MWと掲げており、今後4~5年間で20件程度の太陽光発電所の建設を予定している。そのため他社とのアライアンスを活用し、コスト低減と工期短縮による効率の高い太陽光発電所の建設や保守管理の確立を目指している。

 また、NECネッツエスアイは、電気工事を手掛けるNECの子会社で、企業や通信業、官公庁などにおけるインフラ工事を手掛けている。海外での実績も多い。メガソーラーに関しても、10MW以上の大型案件の施工やO&Mの受注獲得を目指しており、エクセリオとの協業により、事業機会を増やす狙いがある。