東京エレクトロン デバイスは、IoTシステムのデータ処理プログラムをWebブラウザーのGUI環境で開発し、各種システム用にバイナリファイル形式のアプリケーションプログラムを生成するクラウドサービス「Connexon(コネクソン)」の提供を2017年7月に開始する(プレスリリース)。IoTのエッジ側で稼働するデータ処理プログラムの開発負担を減らし、開発期間・コストを圧縮できるとする。正式提供に先駆けて、2017年6月1日に無料試用を開始する予定で、現在は申し込みを受け付けている。

 同社は、IoTインテグレーションサービスとして「Min Lab」を提供している。その中で負荷が大きかったとするのが、ゲートウエーなどのデバイス上でセンサーなどからの入力データを処理する「データ処理プログラム(データフローアプリケーション、DFA)」の開発だ。IoTシステムの開発では試行錯誤による頻繁な改変が要求される上、接続するセンサーやデータ、構成、処理、実行環境などがユーザーごと、案件ごとにバラバラであり、それぞれのプログラムをいちから開発していくため手間がかかっていたという。

Connexonの概念図。製造業などにおいて多量のデータを扱うIoTでは、装置やセンサー、ゲートウエーにそれぞれデータ処理プログラム(データフローアプリケーション、DFA)が必要となる。Connexonは、このDFAの開発を容易にするという。(図:東京エレクトロン デバイス)
Connexonの概念図。製造業などにおいて多量のデータを扱うIoTでは、装置やセンサー、ゲートウエーにそれぞれデータ処理プログラム(データフローアプリケーション、DFA)が必要となる。Connexonは、このDFAの開発を容易にするという。(図:東京エレクトロン デバイス)
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 そこで同社は、Webブラウザーからの操作でDFAを生成し、ダウンロードする仕組み「Connexon」を開発した。ファイル読み込みやFFT(高速フーリエ変換)など、いわゆる“定番”のデータ処理機能を「コンポーネント」としてクラウド側にあらかじめ用意し、開発者は必要なコンポーネントをつなげてフローを作成し、実行環境などを設定するだけでDFAを生成できる。自社の利用実績ではDFAの開発工数(人月)を1/5~1/6に短縮した事例があり、より複雑な案件であれば「1/10に短縮される場合もある」(同社)と予想する。過去1年ほど社内利用して改良を続け、他社でも需要があると見込んで外販に踏み切ったという。

ConnexonのDFA作成画面。Connexonはクラウドサービスで、インターネットから自分のアカウントにログインして使用する。基本的なデータ処理機能はコンポーネントとして用意されており、データフローとしてつなげていくことで、DFAを作成できる。(図:東京エレクトロン デバイス)
ConnexonのDFA作成画面。Connexonはクラウドサービスで、インターネットから自分のアカウントにログインして使用する。基本的なデータ処理機能はコンポーネントとして用意されており、データフローとしてつなげていくことで、DFAを作成できる。(図:東京エレクトロン デバイス)
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